前立腺がんとは、きつかわクリニックへ | 東京港区芝

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前立腺がん

前立腺とは

イメージ写真 前立腺(ぜんりつせん)は精液の一部を作る器官の一つで、男性のみに存在する生殖器です。膀胱、精嚢の前方に存在することが前立腺という名前の由来です。
前立腺は尿道を取り囲む様に存在し、通常は3~4cm大の大きさです。

前立腺は直腸に接して存在しするため肛門から指診察することができます。
前立腺がんの多く(約70%)は直腸面に近い周辺域から発生するため、直腸診と呼ばれる肛門からの診察が有用な場合があります。

前立腺がんの頻度

欧米人に発生率の高いがんで、米国では男性がんのうち第1位の発生率(人口10万人対190人/1992年)で、男性の約20%が生涯に前立腺がんと診断されます。
日本でも著しい勢いで前立腺がん患者さんは増加しています。
また、日本での前立腺がんはがん死亡者の約3.5%から4%を占め、近年急増傾向で2020年には肺がんに次いで2位に躍り出ると予測されいます。
前立腺がんは45歳以下での罹患については家族歴以外はまれで、50歳以降、加齢と共に直線的に増加します。
前立腺がんは60歳から増え始め、70歳以上で最も多くなり、高齢者年齢が増えると前立腺がん患者さんが増えます。

PSA検査は近年普及傾向にあり、そのため前立腺がんが発見される確率も高くなってます。
しかし注意が必要で、PSA検査は会社や地方自治体における検診で必須項目になってない場合が多いことです。
受診するには年齢制限などで、オプション選択が必要な場合もあり十分な確認が必要です。

前立腺がんの危険因子

前立腺がんの危険因子として考えられているのは脂肪の多量摂取、肥満などで、喫煙や飲酒との関係は明らかにはされていません。
乳製品の摂り過ぎは前立腺がんや卵巣がんのリスクを高めると言われています。
日本での研究でも、乳製品の摂取が前立腺がんのリスクを上げると考えられています。
脂肪の多量摂取については、同じ日本人でもハワイ在住の日系人と日本在住の日本人の3.5倍から6倍の頻度であることから、食事の欧米化が関与しているのではないかと考えられています。また肥満と前立腺がんリスクに関する報告も多くみられます。
前立腺がんの遺伝性については、父親か兄弟のどちらかが前立腺がんの場合、本人が前立腺がんにかかる危険性が約2倍になり、父親と祖父あるいは兄弟の両方に前立腺がんになった人がいる場合、約9倍にも上昇します。
家族歴は前立腺がんの危険因子といえるでしょう。

前立腺がんの発生

前立腺がんの発生に強く関わるものは、加齢、食事(動物性脂肪)と遺伝があげられます。
また、前立腺がんが発生してから症状を呈するがんに育つまでには30~40年かかると言われています。
前立腺がんの発生には男性ホルモンの存在が必須ですが、発がんのメカニズムはまだよく分かっていません。

前立腺がんの予防

前立腺がんの発がん原因が未だ明確でないため予防法もはっきりしません。
大豆に含まれるイソフラボン成分の構成濃度が高いと限局性前立腺がんのリスクが低下したり、緑茶を飲む方々のグループでは進行性前立腺がんのリスクが低下するとも言われています。
また、若い頃よリ動物性脂肪の摂取を少なくし、緑黄色野菜を多く摂るのがよいと考えられています。

前立腺がんの自覚症状

早期がんの場合は、前立腺がんにかかっても初期は自覚症状がないため気づくことはほとんどありません。
前立腺がんの70%は前立腺の辺縁域(外腺部)に発生しますので、早期には全く無症状です。
何らかの症状があるとすれば大半は同時に合併する頻尿(尿の回数が多い、特に夜間)、尿が出にくい、尿線が細く時間がかかる、タラタラ垂れる、尿線が中絶する、等の症状です。

局所進行がんの場合も、前立腺肥大症と同様の症状がみられます。
前立腺が尿道を圧迫するため、頻尿、夜間頻尿、排尿困難、残尿感がみられます。
この他、がんが尿道、射精管、勃起神経に浸潤すると血尿、血精液(精液が赤い)、インポテンツ(ED)等の症状も見られます。

進行転移がんの場合、前立腺がんはリンパ節と骨(特に脊柱と骨盤骨)に転移しやすいがんです。
リンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身の麻痺が生じることがあります。

前立腺がんの診断方法

血中PSA(前立腺特異抗原)測定

PSAとは前立腺から産生される蛋白質で、前立腺がんになるとその血中濃度が高くなります。腫瘍マーカーとして、現在、最も有用なものです。
少量の血液を検査するだけの簡便な方法ですが、確定的ではありません。
PSAは前立腺がんの検出、診断はもちろん、がんの進行度の推定、治療効果の判定、再発の診断、そして予後の予測にも役立ちます。

直腸指診

古くから行なわれている診断法です。
がんの場合、前立腺は全体が硬くなり、表面が不整になります。痛みは通常ありません。
前立腺は直腸に接していますので、外側の辺縁域に好発するがんは、ある程度の大きさになれば直腸から指で診断することが可能です。
この検査は簡便ですが、客観性にかける部分があります。

経直腸エコー検査

肛門から行う超音波検査です。前立腺内部の異常の有無を観察します。
また、前立腺体積を正確に測定してPSA値との関係を調べます。

前立腺MRI検査

上記の検査で前立腺がんが疑われる場合に施行します。
造影剤と呼ばれる薬剤を使用することにより、前立腺がんの部位を予測することが可能です。
また、この検査は前立腺がんと診断された患者さんでは、がんの広がりを決定するのに役立ちます。

前立腺生検

前述の検査では前立腺がんの存在を疑うことができますが、前立腺がんと診断することはできません。
確定診断のためには前立腺の組織の一部を採取し、がん細胞の存在を病理学的に証明することが必要です。
経直腸エコーで前立腺を観察しながら、バイオプティガンという優れた生検器具を使用し、組織を採取します。
通常、多部位生検といって10本以上の組織を採取することが推奨されています。
当院では診断精度を高めるため、通常の経直腸的生検(6本)に加え、経会陰的にも組織を採取します(8本、計14本)。
合併症は血尿、肛門出血、血精液症などの軽度のものがほとんどですが、まれに急性前立腺炎を併発する場合があり、その場合には抗生物質による点滴治療が必要な場合があります。 また生検施行前に診断がほぼ確実で数本組織を採取すれば診断確定がなされる場合には、より少ない本数で生検検査を施行することもあります。

前立腺がんの悪性度分類(グリーソンスコア)

がんの悪性度は、通常顕微鏡で見たがん細胞の核の大きさや形などの異形度や分化度で決定されますが、前立腺がんの場合は、細胞一つひとつではなく、組織を顕微鏡で見た時の浸潤パターンや構造異型のみで判断するグリーソン分類が用いられます。
採取した組織の中の組織形態をグリーソンパターンという1~5の5段階に階層化します。
最も面積の大きいパターンとその次に大きいパターンを合計してグリーソンスコアを算出します。
グリーソンスコア「3+4=7」の場合は、パターン3が優勢型、パターン4が従属型となります。
このスコアが高いほど、がんの進み方が速く悪性度が高いと考えられます。

前立腺がん病期診断法

1. 原発巣の進行度診断

直腸診、経直腸エコー、MRIなどで診断します。

2. リンパ節転移の診断

腹部CT、腹部エコーなどで診断します。

3. 骨転移の診断

PET-CT、骨シンチグラム、単純X線写真、CT、MRIなどで診断します。

前立腺がんの進行度・病期

がんの進行度は一般にTNM分類という分類法が使われています。T、N、Mの文字を使い、

  • T(Tumor)→前立腺局所での癌の拡がり
  • N(Nodes)→リンパ節に転移有無
  • M(Metastasis)→骨、肺など、前立腺から離れた臓器への転移有無

を表し、さらにそれぞれが細かく分けられていて、 画像検査によって病期を診断します。


TX
評価不可能
TO
がんはみつからない
T1
触診や画像では診断できない
T2
前立腺の中にがんがとどまっている
イメージ写真
T3
前立腺の外にまでがんが拡がっている
イメージ写真
T4
隣接するほかの臓器にまで拡がっている
イメージ写真
N0
リンパ節に転移なし
N1
リンパ節に転移あり
M0
遠隔転移なし
M1
遠隔転移あり

ABCD分類

病期A
(偶発がん)
がんではなく、良性疾患(ほとんどの場合前立腺肥大症)の診断のもとに手術を受けて、切除された組織に偶然発見されたがんです。
A1: 切除された組織の5%以下でかつ高分化のがん(比較的性質のおとなしいがん)
A2: 切除された組織の5%以上または中、低分化のがん(高分化に比べ悪性度の高いがん)
病期B
(限局性がん)
前立腺内に限局しているがんです。
B0: 血中のPSAの値のみが高値で生検した結果、がんが見つかった場合
B1: 片葉内に限局する最大径1.5cm以下のがん
B2: 両葉にある場合または最大径が1.5cmを超えるがん。
病期C
(局所浸潤がん)
前立腺被膜(前立腺の外側を囲んでいる膜です)を超えて拡がっているがん。
前立腺に隣接している精嚢、膀胱頚部へ拡がるがんも含みます。
病期D
(転移性がん)
臨床的に明らかに転移がみられるがんです。
D1: 所属リンパ節に転移しているがん。
D2: その他のリンパ節、膀胱頚部以外の膀胱、直腸などへの浸潤、骨、肺などの臓器に転移

前立腺がんのリスク分類

転移のない前立腺がんに対する分類で、PSA値、生検グリーソン スコア、臨床病期を組み合わせで分類されます。
これらの分類により、PSA監視療法、外科療法、放射線療法やホルモン療法などの治療が提示されます。

リスク群 項目 D’Amico
低リスク群 PSA
グリーソンスコア
TMN分類
≦10 かつ
≦6 かつ
T1-T2a
中リスク群 PSA
グリーソンスコア
TMN分類
10.1-20 かつ/または
7 かつ/または
T2b かつ/または
高リスク群 PSA
グリーソンスコア
TMN分類
20< または
8~10 または
T2c または

前立腺がんの治療法

1.PSA監視療法(待機療法)

前立腺生検の結果、比較的おとなしいがんがごく少量のみ認められる限局性前立腺がんの場合に適応になります。
治療を開始しなくても余命影響がないと判断される場合に選択される方法です。
特に高齢者の場合には、なるべく体への負担の少ない治療法を選択していくことが大切になるため、PSAの数値などをみながら経過観察をするPSA監視療法(待機療法)は治療法の選択肢の1つとして重要視されています。
また、比較的お若い方でも手術療法や放射線療法の副作用を後回しにできるため、低リスクの前立腺がん患者さんでも選択されることがあります。
具体的にはグリーソンスコアが6以下で、PSAが10ng/mL以下、病期T1-T2までの低リスク群の患者さんが対象になります。
PSA値を3ヵ月から6ヵ月ごとに測定して、その上昇率を確認します。
PSA値が倍になる時間(PSA倍加時間)が2年以上と評価される場合にはそのまま経過観察でよいと考えられています。
そのため生検の情報を含めて、術前のしっかりした診断が重要になります。
その後は、経過観察を始めて6か月から2年ぐらいの間に再度前立腺生検を行いその間の悪性度に変化がないか確認したり、MRIにて病巣の広がりに変化がないかの確認を行います。
その都度「PSA監視療法を続けるのか?」それとも「根治的治療などへの治療に切り替えるのか?」について、判断が必要です。
疑問がある場合は、納得いくまでよく話し合うことが大切です。

また特に積極的な治療を行わないため、当然、治療による副作用はありません。
一方がんと診断されていながら治療をしていないことに対して、精神的な負担を感じる人にはこの方法は向いていません。

きつかわクリニックでは、積極的にPSA監視療法を行っております。
定期的なPSA測定、リピートバイオプシーと定期的なMRIによる画像評価を行い安心してPSA監視療法を受け定いただいています。

2.外科療法(根治的前立腺全摘除術)

前立腺を精嚢と共に摘除し、膀胱と尿道をつなぐ手術です。
局所療法ですから、適応は転移のないステージAとB、それにCの一部の患者さまが対象になります。
下腹部を切る恥骨後式と股の間を切る会陰式があり、最近では腹腔鏡を用いた術式も行なわれています。
施設にも異なりますが平均的に入院期間は2週間、平均な手術時間は2時間30分、出血量は400~900mlです。
最近ではロボットを使用する施設も増えてきています。
ロボット支援手術は、操作は人が行っておりますので術者の手腕も必要です。
手術による治療では、尿失禁とインポテンツ(ED)が術後の合併症として問題になります。
尿失禁は3ヶ月で70%の人が、6ヶ月で90%の人がおおむね改善しますが、1日数枚のパッドを要する方が10%弱見られます。
数%の確率で改善されない尿失禁が起こります。
また、神経温存を行わない場合は必発で術前の十分なカウンセリングが必要です。
勃起神経温存手術が行われた場合も、術後6ヶ月から2年程度の間に片側温存で60~70%、両側温存で20~30%程度にしか性機能は回復しません。
また術後のリハビリが必要な場合もあります。

きつかわクリニックでは手術をご希望の場合は港区内外のご希望の施設、あるいは希望される手術方法によって適切と思われる医療機関へのご紹介が可能です。
術後は再度当院で尿失禁、EDに対するリハビリを行いながらPSAによる経過観察も可能です。

3.放射線療法

1.外照射

現在では、放射線に強弱をつけることでがんの形に合わせて治療を行い、正常組織への照射を減らすリニアックを用いた強度変調照射線治療(IMRT)をお奨めしております。
がんの状態に応じて36回または39回、約7-8週間の通院治療が必要です。
現状では低リスク前立腺がん患者さんでは単独放射線治療を、それ以外の患者さまでは内分泌療法を併用することをお奨めしております。
また、IMRTの精度をさらに上昇させ、合併症の軽減を目的にさらにIGRT (画像誘導放射線治療)の技術により放射線をあてる位置の精度を高めることが可能です。
つまり、周囲の正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら、がん治療を行うことができます。

港区のきつかわクリニックでは、IGRTに必要な放射線治療用マーカ VISICOIL マーカ プレロードを日帰りで留置可能です。


2.小線源治療(組織内照射)

ヨウ素125シード線源による前立腺がん密封小線源治療が行われています。
高リスク群では、組織内照射療法の単独治療は勧められません。
また、前立腺肥大があり前立腺体積が基準値より大きい場合や恥骨の形態によっては、内分泌療法を施行し前立腺体積を縮小する必要があります。
外科的手術と比較して、侵襲が少ないため入院期間は通常3~4日ですみます。

港区のきつかわクリニックでは、小線源治療をご希望の場合には東京医療センター、東京慈恵会医大附属病院、がん研有明病院など国内では有数の症例数を誇る施設へのご紹介が可能です。

放射線治療の副作用として、前立腺のまわりの直腸、膀胱の障害に伴う症状があらわれます。
さまざまな要因による直腸への刺激で、下痢や頻回の便通、排便時の痛みや出血が起こります。
また、尿がたまるなどの要因で膀胱が刺激され、頻尿、急に尿意を催して我慢できなくなる、排尿時の痛み、といった症状が起こる場合があります。
照射方法によっては放射線皮膚炎や下痢が生じることもあります。これは一過性で、治療が終われば2~4週程度で改善することがほとんどです。
多くは照射中に起こりますが、半年以上経って症状がでてくることもあります。

4.内分泌治療(ホルモン療法)

前立腺がんは、精巣や副腎から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)の刺激で病気が進行します。
ですから男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌や働きを妨げれば、前立腺がんの勢いを抑えることができます。
ホルモン治療にはLHRHアゴニスト(注射薬)を使用したり、手術により両側の睾丸(精巣)を摘除する外科的去勢法や抗男性ホルモン(アンチアンドロゲン)剤の内服があります。現在、内分泌療法(ホルモン療法)の初期段階では注射剤あるいは飲み薬が一般的に併用したり、病態によっては単独で使用されることがあります。
全身療法ですから転移のあるステージDが適応となります。
局所進行がん(ステージC)では放射線治療と9ヶ月間のホルモン治療による併用治療をしばしば行ないます。
欧米のガイドラインでは2~3年の長期ホルモン治療が奨められています。

内分泌療法(ホルモン療法)の問題点は、ある期間で落ち着いていた病状がぶり返す「再燃」を起こします。
再燃すると女性ホルモン剤や副腎皮質ホルモン剤などが使用されます。
しかしこれらも、当初は効果がみられますが次第に効果が弱くなります(去勢抵抗性)。 そのため、この治療のみで根治することは困難であると考えられています。
近年、新規ホルモン療法薬が次々と開発され、テストステロンの上昇を伴わないLH-RHアンタゴニストが承認され、国内でも使用可能となっております。

また、エンザルタマイド(イクスタンジンカプセル)が2014年5月23日より処方可能となりました。

きつかわクリニックでは、薬剤の副作用を十分観察しながら各種内分泌治療を行っております。

5.化学療法

内分泌療法の効果を認めなくなった前立腺がんは内分泌療法抵抗性前立腺がん(CRPC)と呼ばれて治療に難渋してきましたが、ドセタキセルが健康保険適用となって、CRPCに対する化学療法の第一選択薬として積極的に使用されています。

男性ホルモン欠落症状として、ED、ホットフラッシュ(ほてり:カッと熱くなり汗が出ること)、筋力低下、骨粗鬆症、メタボリック症候群、うつ状態などいろいろ見られます。女性ホルモン剤では血液凝固能の亢進、これに伴い心、血管系障害が起こることがあります。

骨転移のある前立腺がん患者さんでは、骨転移の進行を抑制したり、骨粗しょう症による骨折防止のために3~4週毎のビスフォスフォネート製剤、ゾレドロン酸の投与が推奨されています。

きつかわクリニックでもドセタキセルの初期投与の終了している患者さまにおいては継続投与が可能です。

6.新規治療薬

アビラテロン(商品名:ザイティガ)は、男性ホルモン合成に関与する酵素CYP17(17α-hydroxylase/C17,20-lyase複合体)を選択的阻害する薬剤です。またエンザルタミド(商品名:イクスタンジンカプセル)は、新規の男性ホルモン受容体阻害剤で、テストステロン-アンドロゲン受容体結合阻害、受容体の核内移行阻害、さらにコアクチベーターとの結合の阻害に働きます。
新規タキサン系抗がん剤カバジタキセルを含めて、日本国内での早期の臨床への導入が望まれています。

きつかわクリニックではエンザルタミド(商品名:イクスタンジンカプセル)、アビラテロン(商品名:ザイティガ)共に処方可能です。

術後の経過観察

前立腺がん治療後の再発や再燃を早期発見し、早期に二次治療を行うため、経過観察が必要です。
経過観察はPSA検査を中心に行います。
経過観察の間隔は、一般的に外科治療後2年間は3か月毎、以降6か月ごと2年間、その後も年1回のPSA測定で経過観察を行います。
前立腺が残っている放射線治療やホルモン療法の場合は、3年目以降も6か月から1年ごとにPSA検査の継続が必要と言われています。

きつかわクリニックでは、前立腺前摘術、放射線治療後、小線源治療後、陽子線治療後なのすべての術後の経過観察が可能です。
通院間隔は、毎月~1年毎まで治療法と治療後の状態を見極めより細やかなフォローアップを行っております。

治療後の再発

PSA再発と臨床的再発の2つがあります。

PSA再発

治療を行い、正常化した血中PSA値が再び上昇してきた場合です。
限局がん(ステージA、B)では臨床的再発(リンパ節や骨への転移など)が見られる数か月ないし数年前からみられます。
PSA再発に対する標準的治療法はまだ確立していません。
経過観察、放射線、ホルモン治療、化学療法などが状況(根治療法前のがんの悪性度や進行度、およびPSA上昇速度など)に応じて考えられます。

臨床的再発

限局がんでは治療後に局所再発や遠隔転移が新たに出現した場合、進行がんでは治療により落ち着いていた病巣が再び増大したり、新しい転移巣が見られた場合です。
ほとんどの場合、PSAの再上昇を伴います。治療はやはり状況に応じていろいろあります。

前立腺がんの生存率

生存率とは、がんの診断あるいはがんの治療を受けてから一定期間後に生存している方の割合です。
がん治療では通常、5年または10年が目安とされています。
前立腺がんではステージにより大きく異なり、他のがんと同様にステージが進むほど悪くなります。
しかし、前立腺がんは一般に進行が遅く、さまざま治療選択が可能であるため5年生存率は、ステージA、Bでは90%以上、Cでは80%以上と良好です。
一方転移があると数字は大きく下がり、骨転移があるとも5年生存率は30%くらいです。
また、転移があっても、転移巣が小さいほど生存率が良好な結果が見られていますので、ステージDといえども早期発見、早期治療は重要です。

規則正しい生活

前立腺がんの発症や再発を防ぐための確実な予防法はありません。
しかしリスクを減らすために、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
不規則な生活は、自律神経の働きを乱し、免疫力を低下させます。

栄養のバランスの良い食事を、腹八分目に

高脂肪・高カロリーを避け、野菜を中心にビタミンやミネラルをしっかり摂りましょう。

適度な運動(有酸素運動)

病気に負けない体力づくりや血行促進の効果だけでなく、ストレス緩和にも役立ちます。

過度の飲酒、喫煙は厳禁

喫煙や過度の飲酒は、がんだけでなくあらゆる生活習慣病の原因になります。


2014年5月作成 最終更新 2019年8月27日

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