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日本人女性の約7割が冷え症ともいわれています。冷え症は色々な不調が現れやすくなります。体質的なものに加えて、身体を冷やす生活習慣により、冷えが積み重なるが起こると考えられています。
体温が下がると、免疫力も下がるといわれ、冷えを放っておくと、さまざまな不調を招くといわれています。きつかわクリニックでよく診療している膀胱炎も冷えが原因のこともあります。
冷え症は、漢方医学で病気と健康の間の状態である段階(未病)の状態で、冷え症を改善することで体に起こる不調を改善できるかもしれません。
いずれかに当てはまる場合は、冷えが隠れているかもしれません。
冷房で体の外側から、冷たい飲食物で内側から、身体を深々冷やしてしまう。
運動をしなくなると筋肉量が減り、体内の熱生産がされにくくなって身体が冷える。運動不足で血流もわるくなります。
頭痛や月経痛(生理痛のこと)で鎮痛薬を使いすぎると、体温が下がり、血流も低下します。
スマホの長時間の利用は自律神経のバランスを崩し、血行の悪化で冷えます。
過剰ストレスは、体温調節にかかわる自律神経を乱し、冷えが生じます。
過度の食事制限は体内の熱生産を低下させます。暴飲暴食も胃腸の過伸展をおこし冷えの原因になることがあります。
湯船につからず、シャワー浴だけでは冷えの原因になるといわれています。
睡眠が不足すると冷えを誘発します。また、冷えにより睡眠が妨げられ悪循環につながります。また、寝すぎや昼夜逆転も冷えの原因となる可能性があります。
冷えにより全身の血の巡りが悪くなります。身体の中の臓器に必要な栄養や酸素が運べず、老廃物の回収もうまくいかなくなります。冷えがつづくと、肩こりや頭痛など、さまざまな症状がでてきます。
体温が約1℃下がると免疫力は約30%低下するといわれています。免疫力が低下すると、ウイルスや病原体に対する抵抗力が弱まります。冷えによるさまざまな不調は、体のサインです。放っておくと、がんの進行や不妊症などの病気につながる可能性があります。
また、体温が1℃上昇すると代謝が13%増加します。つまり、太りにくくなるのです。
冷えには、よい生活習慣とバランスが大事と考えられています。冷えを助長するような生活習慣を変えることが大切です。忙しい毎日ではなかなか難しいものですが、できることから取り組みましょう。
早寝・早起きをして朝食を取りましょう。寝る前の飲食、スマホ、パソコンは控えて、パジャマに着替えてよい睡眠を取りましょう。
冷たい飲み物や食事を控えて、身体を温める食材をとるようにしましょう。過度な水分摂取にも注意が必要です。生野菜ばかりを食べていると、身体が冷えて代謝が悪くなり、痩せづらくなり、体調が悪くなることもあります。
身体を温める食べ物
しょうが、ニンジン、タマネギ、ゴボウ、レンコン、ジャガイモ、ネギ、ニラ、玄米、鮭、鯖、カキ、アジ、サンマ、納豆、キムチ、チーズ
筋トレから有酸素運動が効果的です。手軽にできるものから始めてみましょう。
まずは休息が大事。ストレス発散を心がけます。ストレスを感じたときは息をゆっくり吐いて腹式呼吸も良いでしょう。
腹巻きや、レギンスやレッグウォーマーを着用したり、手袋・マフラーを持ち歩くことも大切です。
シャワーだけではなく、湯船につかりましょう。顔がほてるタイプの冷えには足湯もおすすめです。
足が冷え、歩くと痛みがでる場合は注意は必要で基幹病院での受診をおすすめしています。動脈硬化が原因で血管が狭くなって、血流障害を起こしている閉塞性動脈硬化症が起こる場合があります。高齢者、喫煙者、糖尿病のある人は要注意です。
また睡眠が十分とれていない場合や、気分の落ち込みがひどい場合にも、全身の冷え症状を感じることがあり、うつ病が原因となることもあり心療内科での受診をお勧めしています。
なかなか通常診療での処方がむずかしい冷え症。きつかわクリニックでは、漢方療法や食事指導を通じて冷え症の改善をすすめています。基礎疾患のない場合の食事指導は、医療サービス(保険診療適応外)になります。
きつかわクリニック 内科担当医 吉川慎一
2022年6月作成 最終更新2022年6月2日
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